インフルエンザ

2歳の息子とインフルエンザの予防接種に行ってきた。

いつもお世話になっている近所の小児科へ。
これまではその病院の扉を開いた瞬間に大泣き。
先生の顔を見ると、パニックに近い騒ぎを起こしていた。
各種予防接種や、聴診器の冷やっとした感触など
彼にとっては嫌な記憶しかない場所なのだ。

自分は、せめて子供に対しては嘘をつきたくないので
予め病院に行く前から
「病院行って注射しようね」と何度も繰り返して言い聞かせた。
騙し打ちみたいなのは嫌なんです。
本人もどれだけ理解していたかは分からないが、
「チュウシャスル」とたどたどしくも反芻しながら病院へ向かった。

そして病院到着。
意外なことに、息子は涙声になりながらも
必死に泣くのをこらえていた。
前フリが効いたのだろうか。
ギャン泣きを覚悟していたので少し拍子抜けしたが、これは助かる。
次回も念のため「病院行くよ」の前フリは忘れないようにしよう。

しかし問題は、注射だ。

一般の患者とは別の待合室に通されると
息子より、おそらく数ヶ月年上の女の子が
おとなしく注射を待っていた。

そこから注射を打たれるまで、約15分。
息子はチラチラと女の子を見ていた。
ちょっとタイプのようだ。

先に、女の子が注射。
泣かない。すごい。えらい。

続いて、自分が注射。
痛かったけど泣かなかった。

最後に、息子が注射。
これは泣くだろう、と思いながら息子の全身をがっちり固める。
先生が息子の左腕をつまみ、針を刺す。
「痛い!」
と息子は叫んだ。それで終わった。

感心した。
たぶん女の子の眼があったからだろう。
ギャルの前で泣いてたまるかと。
かっこいいよ息子。それが男だ。